初心者向け自作PC講座 マザーボード知識編です。
PCを自作する上で必要な知識を解説していきます。
マニアックな部分ではなく、初心者の方に理解していただく内容になります。
各パーツごとに解説しています。
自作PC初心者講座一覧はこちら
覚えて欲しいポイント
- マザーボードの役割
- マザーボードには種類がある
- 対応チップセットがある
- 高いマザボと安いマザボの違い
この辺りをなんとなく理解できれば十分です。
マザーボードとは?
マザーボードは、PCの部品をはめ込む部分で、基板になる部分です。
マザーボードの他に、メインボードという言い方をされる方もいます。
マザーボードを人間の部位で例えるなら、"身体(土台)"というイメージです。
つまり、腕や足・脳など身体のすべての部位を取り付ける部分になります。
すべてのPCの部品(CPU・メモリ・GPU・電源など)を、このマザーボードに装着することでPCが動きます。
マザーボードのチップセット
マザーボードには、それぞれチップセット(型番)があります。
マザーボードには、大きく2つの種類があります。
仕様するCPUメーカーによってマザーボードを変えなければいけません。
この大きく分けた2種類のマザーボード中でも、常に新しいものが販売されており、古いPCパーツだと新しいマザーボードに取り付けできない場合があります。
intel製チップセット
intel製のチップセットのマザーボードは、もちろんintelのCPUしか装着できません。
intelのCPUにもいくつもの世代が存在します。
世代にごとに使えるマザーボードが異なります。
※CPUの世代についてわからない方はこちらをお読みください。
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参考初心者向け自作PC講座【CPU編】
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最新のintel製CPUの12世代が装着できるマザーボードは
と言われるシリーズのマザーボードになります。
LGA 1700というのは、intel製12世代CPUの型番のようなものです。
正確には、ソケット形状と言われるもので世代により、それぞれの型番があります。
マザーボード・Intel製CPUソケット対応早見表
ソケット形状 | 対応アーキテクチャ(世代) | 対応CPU | 対応チップセット |
LGA1700 | Alder Lake (第12世代) | 第12世代CPU Core i9-12*** Core i7-12*** Core i5-12*** | Z690, H670, B660, H610 |
LGA1200 | Rocket Lake (第11世代) | 第11世代CPU Core i9-11*** Core i7-11*** Core i3-11*** | Z590, H570, B560 Z490, H470 |
LGA1200 | Comet Lake (第10世代) | 第10世代CPU Core i9-10*** Core i7-10*** Core i5-10***など | Z490, H470, B460, H410 |
LGA1151v2 | Coffee Lake (第9世代) | 第9世代CPU Core i9 9xxx Core i7 9xxx Core i5 9xxxなど | Z390, B365 Z370, H370, B360, H310 |
LGA1151v2 | Coffee Lake (第8世代) | 第8世代CPU Core i7 8xxx Core i5 8xxx Core i3 8xxxなど | Z390, B365 Z370, H370, B360, H310 |
LGA1151 | Kaby Lake (第7世代) | Core i7 7xxx Core i5 7xxx Core i3 7xxxなど | Z270, H270, B250 Z170, H170, B150, H110 |
LGA1151 | Skylake (第6世代) | Core i7 6xxx Core i5 6xxx Core i3 6xxxなど | Z270, H270, B250 Z170, H170, B150, H110 |
LGA1150 | Broadwell (第5世代) | Core i7 5775C Core i5-5665Cなど | Z97, H97 |
LGA1150 | Haswell Refresh (新第4世代) Haswell (第4世代) | Core i7 47xx Core i5 4xxx Core i3 4xxx Pentium G 3xxx Celeron G18xx Xeon E3 12xxなど | Z97, H97 Z87, H87, B85, H81 |
LGA1155 | Ivy Bridge (第3世代) Sandy Bridge (第2世代) | Core i7 37xx/2xxx Core i5 3xxx/2xxx Core i3 3xxx/2xxx Pentium G2100/G8xx~G6xx Celeron G1600/G5xx~G4xx Xeon E3 12xxなど | Z77, H77, B75 Z68, P67, H67, H61 |
LGA1156 | Lynnfield Clarkdale (第1世代) | Core i7 8xx Core i5 7xx/6xx Core i3 6xxx Pentium G 6xx Celeron G1101 Xeon L3xxx/X3xxx | P55, H55, H57, Q57 |
https://pssection9.com/archives/lga1150-lga1155-difference.html#st-toc-h-1 引用 ※一部改変
このように、それぞれのintel製CPU世代によって対応マザーボードが異なるので、適当に購入してしまうとソケットが合わないということになるので注意が必要です。
ただし、10世代・11世代のように共通して使えるマザーボードも存在します。
AMD製チップセット
AMD製のチップセットももちろん、AMDのCPUしか装着できません。
しかし、AMDはintelとは異なり、比較的多くのマザーボードに新旧のCPUを装着することができます。
AMDは
という名称で、1世代目から4世代目まで同じとなっています。
しかし、微妙に対応しているものとしていないものなどがあったりするそうなので、購入するときには確認しておくことを勧めます。
マザーボード・AMD製CPUソケット対応早見表
マザーボード・AMD製CPUソケット対応早見表
https://subcash.info/ryzen-chipset-list/ 引用
メモリ対応
マザーボードには、CPUだけでなくメモリも対応している世代があります。
メモリ編で解説したDDR4・DDR5など、それぞれマザーボードには規格があるので、購入する際はマザーボードの"メモリ対応DDR〇"を確認しましょう。
DDR4やDDR5がわからない方はこちらをご覧ください。
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参考初心者向け自作PC講座【メモリ編】
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intel製12世代用のソケットでも、DDR4対応のマザーボードとDDR対応のマザーボードがあるので注意が必要です。
オーバークロック
CPUやメモリをオーバークロックさせるには、マザーボードがオーバークロック対応のものでなければなりません。
オーバークロックとは、CPU・メモリの限界突破のようなものです。 寿命を縮めるリスクと引き換えに、普段の性能よりも高い性能を出すことができます。
マザーボードの箱や購入ページにオーバークロック対応か記載されています。
マザーボードの大きさ
マザーボードには、一般的に3つに大きさが別れます。
特殊な形のマザーボードも存在しますが、基本的にはこの3つに分類されます。
ATX
ATXは、大きめのマザーボードになります。
大きい分、メモリスロット4つ・拡張スロット6つ・多めのSATA端子など多くのパーツを取り付けることが可能です。
標準サイズは、305×244mmとなります。
拡張性が高く、スペースに余裕があればATXサイズが良いです。
Micro-ATX
Micro-ATXは、程よいサイズ感のマザーボードです。
標準サイズは244×244mmです。
メーカーや型番にもよりますが、メモリスロット4つ・拡張スロットも4つと超ハイスペックにしないのであれば十分な端子数になっています。
Mini-ITX
Mini-ITXは、一番小さいサイズのマザーボードになります。
標準サイズは、170×170mmとATXの半分程度のサイズになります。
メモリスロット2つ・拡張スロット1つとハイスペックにするのは難しいですが、最低限のものを取り揃えているので、ハイエンドモデルを目指さないのであれば十分です。
ゲームができる程度の性能にすることも余裕で可能です。
コンパクトなPCを作りたい方にはMini-ITXが良いです。
高いマザーボードと安いマザーボードの違い
マザーボードの価格の違いって性能にはどういう影響があるの?
このような疑問を持つ方も多いと思います。
マザーボードの価格による性能の違いは、いくつかあります。
価格による違い
- オーバークロック対応
- 出力端子の多さ
- 転送速度が速い
- ヒートシンク付き
- WiFi対応などの付属機能付き
- 光る
オーバークロック対応
CPUなどがオーバークロック対応のものでも、マザーボードによってオーバークロックできるかどうかが決まります。
CPUをオーバークロックするものを使用するのであれば、マザーボードもオーバークロック対応にすることをおすすめします。
出力端子の多さ
高いマザーボードは出力端子も多いです。
IOパネルというPCの裏側の出力端子が安いものよりも明らかに多いです。
USBであれば、PC後面からキーボードやマウスを繋げるかと思うので多くある方が便利です。
転倒速度が速い
マザーボードには、SSDなどの記憶媒体なども設置します。
マザーボードの転倒速度が遅いものであれば、せっかくの速いSSDなどのパーツも機能を最大限まで発揮できません。
マザーボードの転送速度に応じたパーツを購入する必要があります。
ヒートシンク付き
ヒートシンクとは、PCパーツの発熱を逃がすパーツになります。
M.2 SSDと言われる記憶媒体やCPUの周りのコンデンサなど発熱しやすい部位にもともとヒートシンクがついてあるので、余計な熱を逃がす設計になっています。
WiFi対応などの付属機能付き
マザーボードには、WiFiが受診できるタイプのものもあります。
自作PCでもWiFiに繋ぐ方も多いので、マザーボードに最初からWiFiがあると便利です。
しかし、USBに差し込むWiFi受信機も安く売っているので、WiFi機能に関してはあってもなくても良いと思います。
光る
マザーボードも、高価になってくると光ります。
特に機能面だけで言えば、光らせる必要もないのですが、おしゃれなPCを作りたい方は光るものの方が映えるので良いと思います。
まとめ
マザーボートは、すべてのパーツを設置する部分で非常に重要ですが、オーバースペックになりがちなので、他のパーツとのバランスを見て選ぶことが重要です。
どんなPCを作りたいかを考え逆算して、必要なマザーボードを選択するようにしましょう。
PC
初心者向け自作PC講座【マザーボード編】
2022年1月19日
初心者向け自作PC講座 マザーボード知識編です。
PCを自作する上で必要な知識を解説していきます。
マニアックな部分ではなく、初心者の方に理解していただく内容になります。
各パーツごとに解説しています。
自作PC初心者講座一覧はこちら
覚えて欲しいポイント
この辺りをなんとなく理解できれば十分です。
マザーボードとは?
マザーボードは、PCの部品をはめ込む部分で、基板になる部分です。
マザーボードの他に、メインボードという言い方をされる方もいます。
マザーボードを人間の部位で例えるなら、"身体(土台)"というイメージです。
つまり、腕や足・脳など身体のすべての部位を取り付ける部分になります。
すべてのPCの部品(CPU・メモリ・GPU・電源など)を、このマザーボードに装着することでPCが動きます。
マザーボードのチップセット
マザーボードには、それぞれチップセット(型番)があります。
マザーボードには、大きく2つの種類があります。
仕様するCPUメーカーによってマザーボードを変えなければいけません。
この大きく分けた2種類のマザーボード中でも、常に新しいものが販売されており、古いPCパーツだと新しいマザーボードに取り付けできない場合があります。
intel製チップセット
intel製のチップセットのマザーボードは、もちろんintelのCPUしか装着できません。
intelのCPUにもいくつもの世代が存在します。
世代にごとに使えるマザーボードが異なります。
※CPUの世代についてわからない方はこちらをお読みください。
参考初心者向け自作PC講座【CPU編】
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最新のintel製CPUの12世代が装着できるマザーボードは
と言われるシリーズのマザーボードになります。
LGA 1700というのは、intel製12世代CPUの型番のようなものです。
正確には、ソケット形状と言われるもので世代により、それぞれの型番があります。
マザーボード・Intel製CPUソケット対応早見表
(第12世代)
Core i9-12***
Core i7-12***
Core i5-12***
(第11世代)
Core i9-11***
Core i7-11***
Core i3-11***
Z490, H470
(第10世代)
Core i9-10***
Core i7-10***
Core i5-10***など
(第9世代)
Core i9 9xxx
Core i7 9xxx
Core i5 9xxxなど
Z370, H370, B360, H310
(第8世代)
Core i7 8xxx
Core i5 8xxx
Core i3 8xxxなど
Z370, H370, B360, H310
(第7世代)
Core i5 7xxx
Core i3 7xxxなど
Z170, H170, B150, H110
(第6世代)
Core i5 6xxx
Core i3 6xxxなど
Z170, H170, B150, H110
(第5世代)
Core i5-5665Cなど
(新第4世代)
Haswell
(第4世代)
Core i5 4xxx
Core i3 4xxx
Pentium G 3xxx
Celeron G18xx
Xeon E3 12xxなど
Z87, H87, B85, H81
(第3世代)
Sandy Bridge
(第2世代)
Core i5 3xxx/2xxx
Core i3 3xxx/2xxx
Pentium G2100/G8xx~G6xx
Celeron G1600/G5xx~G4xx
Xeon E3 12xxなど
Z68, P67, H67, H61
Clarkdale
(第1世代)
Core i5 7xx/6xx
Core i3 6xxx
Pentium G 6xx
Celeron G1101
Xeon L3xxx/X3xxx
このように、それぞれのintel製CPU世代によって対応マザーボードが異なるので、適当に購入してしまうとソケットが合わないということになるので注意が必要です。
ただし、10世代・11世代のように共通して使えるマザーボードも存在します。
AMD製チップセット
AMD製のチップセットももちろん、AMDのCPUしか装着できません。
しかし、AMDはintelとは異なり、比較的多くのマザーボードに新旧のCPUを装着することができます。
AMDは
という名称で、1世代目から4世代目まで同じとなっています。
しかし、微妙に対応しているものとしていないものなどがあったりするそうなので、購入するときには確認しておくことを勧めます。
マザーボード・AMD製CPUソケット対応早見表
マザーボード・AMD製CPUソケット対応早見表
メモリ対応
マザーボードには、CPUだけでなくメモリも対応している世代があります。
メモリ編で解説したDDR4・DDR5など、それぞれマザーボードには規格があるので、購入する際はマザーボードの"メモリ対応DDR〇"を確認しましょう。
DDR4やDDR5がわからない方はこちらをご覧ください。
参考初心者向け自作PC講座【メモリ編】
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intel製12世代用のソケットでも、DDR4対応のマザーボードとDDR対応のマザーボードがあるので注意が必要です。
オーバークロック
CPUやメモリをオーバークロックさせるには、マザーボードがオーバークロック対応のものでなければなりません。
オーバークロックとは、CPU・メモリの限界突破のようなものです。 寿命を縮めるリスクと引き換えに、普段の性能よりも高い性能を出すことができます。
マザーボードの箱や購入ページにオーバークロック対応か記載されています。
マザーボードの大きさ
マザーボードには、一般的に3つに大きさが別れます。
マザーボードの大きさ
特殊な形のマザーボードも存在しますが、基本的にはこの3つに分類されます。
ATX
ATXは、大きめのマザーボードになります。
大きい分、メモリスロット4つ・拡張スロット6つ・多めのSATA端子など多くのパーツを取り付けることが可能です。
標準サイズは、305×244mmとなります。
拡張性が高く、スペースに余裕があればATXサイズが良いです。
Micro-ATX
Micro-ATXは、程よいサイズ感のマザーボードです。
標準サイズは244×244mmです。
メーカーや型番にもよりますが、メモリスロット4つ・拡張スロットも4つと超ハイスペックにしないのであれば十分な端子数になっています。
Mini-ITX
Mini-ITXは、一番小さいサイズのマザーボードになります。
標準サイズは、170×170mmとATXの半分程度のサイズになります。
メモリスロット2つ・拡張スロット1つとハイスペックにするのは難しいですが、最低限のものを取り揃えているので、ハイエンドモデルを目指さないのであれば十分です。
ゲームができる程度の性能にすることも余裕で可能です。
コンパクトなPCを作りたい方にはMini-ITXが良いです。
高いマザーボードと安いマザーボードの違い
このような疑問を持つ方も多いと思います。
マザーボードの価格による性能の違いは、いくつかあります。
価格による違い
オーバークロック対応
CPUなどがオーバークロック対応のものでも、マザーボードによってオーバークロックできるかどうかが決まります。
CPUをオーバークロックするものを使用するのであれば、マザーボードもオーバークロック対応にすることをおすすめします。
出力端子の多さ
高いマザーボードは出力端子も多いです。
IOパネルというPCの裏側の出力端子が安いものよりも明らかに多いです。
USBであれば、PC後面からキーボードやマウスを繋げるかと思うので多くある方が便利です。
転倒速度が速い
マザーボードには、SSDなどの記憶媒体なども設置します。
マザーボードの転倒速度が遅いものであれば、せっかくの速いSSDなどのパーツも機能を最大限まで発揮できません。
マザーボードの転送速度に応じたパーツを購入する必要があります。
ヒートシンク付き
ヒートシンクとは、PCパーツの発熱を逃がすパーツになります。
M.2 SSDと言われる記憶媒体やCPUの周りのコンデンサなど発熱しやすい部位にもともとヒートシンクがついてあるので、余計な熱を逃がす設計になっています。
WiFi対応などの付属機能付き
マザーボードには、WiFiが受診できるタイプのものもあります。
自作PCでもWiFiに繋ぐ方も多いので、マザーボードに最初からWiFiがあると便利です。
しかし、USBに差し込むWiFi受信機も安く売っているので、WiFi機能に関してはあってもなくても良いと思います。
光る
マザーボードも、高価になってくると光ります。
特に機能面だけで言えば、光らせる必要もないのですが、おしゃれなPCを作りたい方は光るものの方が映えるので良いと思います。
まとめ
マザーボートは、すべてのパーツを設置する部分で非常に重要ですが、オーバースペックになりがちなので、他のパーツとのバランスを見て選ぶことが重要です。
どんなPCを作りたいかを考え逆算して、必要なマザーボードを選択するようにしましょう。
-PC
-解説